2015年9月29日火曜日

『ハトはなぜ首を振って歩くのか』

本エントリーは
stod phyogs 2015年9月29日火曜日 『ハトはなぜ首を振って歩くのか』からの移籍です。日付は初出と同じです。

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・藤田祐樹(ふじたまさき) (2015) 『ハトはなぜ首を振って歩くのか』(岩波科学ライブラリー237). viii+115+3pp. 岩波書店, 東京.


















書影は、

・岩波書店 > 書籍 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー > 生態・環境 > No.237ハトはなぜ首を振って歩くのか(as of 2015/09/29)
https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0296370/top.html

より。

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これはおもしろい!内容が面白いだけでなく、文章もとても読みやすい。一般書を書こうと考えている学者さんは、ぜひこの本を参考にしてほしい。

奥付を見たら、なんと発売3ヶ月で3刷。この手の科学啓蒙書では異例の売れ行きでしょう。

どうもNHKのTVで取り上げられた影響が大きいらしいが、まあ当然TVは飛びつくでしょうね。わかりやすいんだもん。

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ハトが首を振って歩くのは、てっきり脚と首の筋肉がつながっていて、それで否応なく歩行と首振りが同時に起きるのだろう、そして、その辺の事情はとっくに自明のことになっているのだろう、と高をくくっていた自分は、まさに目からウロコが何枚も落ちる羽目となりました。

視覚が重要とは・・・。おっと、あとは読んでくれ。鳥類の眼球の解剖学的分析も勉強になりました。

ArgentineのPunta Tombo(追記)で、マゼラン・ペンギンが小首をかしげながらガンを飛ばしていた理由も、二十数年ぶりに理解できました。ああ楽しい。

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この問題を、鳥類学者ではなく人類学者が解いてしまったところにも、この本のおもしろさがあります。鳥類学者の盲点をついた発想で、まさに岡目八目の最高の例。

「日本一の首振り研究者」という肩書(自称)も笑いました。

セキレイの尾振りについての質問に対し、「私は首振りの話をしているのに、どうしてあなたは尾振りの質問をするのですか?」という心の叫びにさらに大笑い。

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首を振るハトだけではなく、「首を振らない」カモ以下、いろんな鳥類の歩行まで簡単に触れてあるのも素晴らしい。アオシギのなぞの体幹振りなんか、いろいろと想像が広がります。

鳥類ときたら、当然その親戚にも考えが及びます。「首を振って歩いていた恐竜もいたかもしれない」と私も思ったのだが、誰しも考える事のようで、この本ではすでに先回りして、簡単に触れてあります。恐竜のソフトパーツ(ここでは特に眼球)や生態はまるでわかっていないので、妄想が広がる点も楽しい。

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さあ、鳥類学者も負けていられない。この本で問題提起されている「スズメのホッピング」について、すでに研究が始まっているに違いない。

数年後に「スズメはなぜホッピングをするのか?」という本を読むのが、今から楽しみである。

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(追記)@2015/09/30

Valdez半島をPunta Tomboに修正。両方行ったので、地名がごっちゃになりました。

2015年9月27日日曜日

『孤独のグルメ2』

本エントリーは
stod phyogs 2015年9月27日日曜日 『孤独のグルメ2』
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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ゴローちゃん食いすぎ!あとオヤジギャグ入れすぎ(たぶんわざと)。

おわり。

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というのも、なんなので、もう少し。

アームロックは「サービス、サービス」ってことで議論不要。だが、アームロックのまま払い腰なんか打ったら脱臼します。よい子は真似しないでね。

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ゴローちゃんは見た目は若いが、本当はもう還暦間近でしょう。オヤジギャグ入れすぎなのは、「オレほんとはもうすぐ60なんだけどなあ・・・」という密かな表明と抵抗、とみる。あとタバコも。

鳥取砂丘の幻想で、お父さんも少年ゴローも1960年代の服装。1958年生まれ、とみた。するとPANJA連載当時(1994~96年)は36~38歳。うん、いい感じ。

なんつって、実はこれは原作者・久住昌之さんの年(1958年生まれ)を知ってたからなんですけどね。

1981年に、ガロで「夜行」を見てからもう34年かあ。一貫して下らないことをやり続けて、いい感じに変なジジイになってきてるところが素晴らしい。

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谷口ジローさんの絵は、10年位前からだいぶマンガマンガした絵に変わってきているが、私は昔の絵もどちらも好きです。「孤独のグルメ」には今の絵の方が合ってるかな、とも思う。ゴローちゃんの鼻が大きくなってるが、時々マスター・キートンに見えませんか?

しかし、オッサンが「ゴローちゃん」とか言ってると、俄然ホモっぽくなるのだな。

以上雑談みたいなもの、でした。