2014年3月14日金曜日

水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(12) 海外旅行記-3

本エントリーは
stod phyogs 2014年3月14日金曜日 水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(12) 海外旅行記-3
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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えー、ただ今、水木しげる先生の海外旅行記の数々をみております。

【 海外旅行記-3 】

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◆1997年11月(75歳)
メキシコ
----大泉実成の案内。仮面収集旅行と化した。

<グラビア+旅行記>
水木しげる+大泉実成
「読み切り特別紀行 水木しげるの霊界大冒険 「死と再生、そして性の国」メキシコを行く! 仮面、ガイコツ、妖精、民話を求めて・・・」
初出:SAPIO(1998/01/14)
収録:『水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ 妖怪楽園案内』 に再編

<グラビア+旅行記>
水木しげる+大泉実成
「水木しげる 幸福になるメキシコ」
初出:GEO(1998/04)
収録:『水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ 妖怪楽園案内』 に再編

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク メキシコ編」
初出:季刊怪 no.2(1998/05)
収録:単行本未収録
<旅行記>
大泉実成
「妖怪博士コンパルサを踊る」
初出:季刊怪 no.2(1998/05)
収録:『水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ 妖怪楽園案内』 に再編

<長編旅行記>
水木しげる・絵+大泉実成・文
『水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ 妖怪楽園案内』
初出:GEO(1998/04)など+大幅に加筆
祥伝社(1999/06)
----大泉実成が案内した旅行記三部作の第二弾。
<短編マンガ>
「メキシコ奇行」
初出:書き下ろし
収録:『水木しげるの大冒険 幸福になるメキシコ 妖怪楽園案内』 祥伝社(1999/06)
----「ノンキ男」の案内でメキシコ幻想世界を旅する。ほとんどはフィクション。『ゲゲゲの楽園』に転用されている。

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◆1998年10月
台湾
----宮本神酒男の案内。壺を神として祀る奇祭とシャーマンを訪ねる。

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク 知られざる壺崇拝」
初出:季刊怪 no.4(1999/02)
収録:単行本未収録
<旅行記>
宮本神酒男
「台湾童乩(タンキー) 俗のシャーマニズム」
初出:季刊怪 no.4(1999/02)
収録:単行本未収録

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◆1999年9月(77歳)
オーストラリア
----大泉実成の案内。オーストラリア・アボリジニを訪ねる。

<グラビア+旅行記>
「トーキングエクスプロージョン エッジな人々 (116)(117) 水木しげるのオーストラリア冒険旅行 (前編)(後編)」
初出:SPA!(1999/10/27&11/03)
収録:『水木しげるの大冒険2 精霊の楽園オーストラリア・アボリジニ』に再編

<旅行記>
水木しげる+大泉実成
「オーストラリア旅日記」
初出:季刊怪 no.7(1999/12)
収録:『水木しげるの大冒険2 精霊の楽園オーストラリア・アボリジニ』に再編
<対談>
水木しげる+松山利夫
「対談 無限の大地に暮らす人々」
初出:季刊怪 no.7(1999/12)
収録:単行本未収録

<短編エッセイ>
「オーストラリアお化け紀行に驚く」
初出:書き下ろし
収録:三津田信三・編 『ワールド・ミステリー・ツアー13 (12) ワールド篇』 同朋舎/角川書店(2000/03)

<グラビア+旅行記>
大泉実成
「水木しげる オーストラリア紀行 77歳"旅の達人"が、アボリジニの村に妖怪を訪ねる。精霊元年、アボリジニの旅」
初出:PLAYBOY(2000/05)
収録:『水木しげるの大冒険2 精霊の楽園オーストラリア・アボリジニ』に再編

<長編旅行記>
水木しげる・絵+大泉実成・文
『水木しげるの大冒険2 精霊の楽園オーストラリア・アボリジニ 妖怪の古里紀行』
初出:SPA!(1999/10/27&11/03)など+大幅に加筆
祥伝社(2000/10)
----大泉実成が案内した旅行記三部作の第三弾。
<短編マンガ>
「精霊伝説 アポリジニ」
初出:書き下ろし
収録:『水木しげるの大冒険2 精霊の楽園オーストラリア・アボリジニ 妖怪の古里紀行』 祥伝社(2000/10)

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◆1999年12月~2000年1月(77歳)
アフリカ南部(ジンバブエ/ボツワナ/南アフリカ)
----妻・布枝さんとともにパックツアーに参加。

<グラビア+旅行記>
「ジンバブエ漫遊記」
初出:季刊怪 no.8(2000/05)
収録:単行本未収録

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◆2000年10月(78歳)
ビルマ(ミャンマー)
----宮本神酒男の案内。精霊信仰を訪ねる。

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク ミャンマー編」
初出:季刊怪 no.10(2001/01)
収録:単行本未収録
<旅行記>
宮本神酒男
「秘儀 精霊との結婚式」
初出:季刊怪 no.10(2001/01)
収録:単行本未収録

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◆2001年4月(79歳)
ブータン
----宮本神酒男の案内。

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク ブータン」
初出:季刊怪 no.11(2001/08)
収録:単行本未収録
<旅行記>
宮本神酒男
「妖怪曼荼羅ブータン」
初出:季刊怪 no.11(2001/08)
収録:単行本未収録

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◆2001年10月(79歳)
カナダ
----国立民族学博物館友の会・主催のツアーに荒俣宏と共に参加。カナダ先住民文化を訪ねる。

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク トーテムポールの人々」
初出:季刊怪 no.12(2001/12)
収録:単行本未収録
<旅行記>
荒俣宏
「水木しげると見たトーテムポールの人々」
初出:季刊怪 no.12(2001/12)
収録:単行本未収録

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◆2002年1月(79歳)
インドネシア バリ島
----水木夫妻が荒俣夫妻と共に休暇・観光旅行。

<グラビア+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク バリ」
初出:季刊怪 no.13(2002/08)
収録:単行本未収録
<旅行記>
荒俣宏
「神々の島バリ」
初出:季刊怪 no.13(2002/08)
収録:単行本未収録

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◆2004年12月(82歳)
メキシコ
----TV番組の企画でメキシコを再訪。

<TVドキュメンタリー>
「巨樹は語る 妖怪棲む老樹 メキシコ ヌマスギ」
NHK-BS2(2005/02/01)
----メキシコ南部の「アウェウェテ(水の老人)」と呼ばれるモンテズマヌマスギと、その保護に尽力する村人を訪ねる。未見。

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◆2006年1月(83歳)
パプア・ニューギニア
----荒俣宏・夫妻、次女・悦子さん同行。セピク川を逆上る。例の川端氏の案内。水木サンが熱中症で倒れて大騒動となった。『神秘家 水木しげる伝』でも取り上げられている。

<イラスト+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク 石の霊」
初出:怪 no.21(2006/07)
収録:単行本未収録
<旅行記>
荒俣宏
「ミズキ幸福探検隊が決行した最後のニューギニア探検」
初出:怪 no.21(2006/07)
収録:荒俣宏・著 『水木しげる、最奥のニューギニア探検』に再編

<長編旅行記>
荒俣宏
『荒俣宏の裏・世界遺産1 水木しげる、最奥のニューギニア探検』
初出:書き下ろし
角川文庫(2008/08)

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(追記)@2014/03/14

見てのとおり、1990年代以降の海外旅行に関しては、「単行本未収録」がだいぶ増えているので、そろそろまとめて単行本化したほうが良いのではないでしょうか。3冊、あるいは分厚いのをドーンと1冊とか。担当は・・・やはり角川書店さんですかね。

2014年3月13日木曜日

水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(11) 海外旅行記-2

本エントリーは
stod phyogs 2014年3月13日木曜日 水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(11) 海外旅行記-2
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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えー、ただ今、水木しげる先生の海外旅行記の数々をみております。

【 海外旅行記-2 】

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◆1991年2月(68歳)
台湾
----TV番組の企画で台湾のシャーマンを訪ねる。『神秘家 水木しげる伝』でも軽く取り上げられている。

<TVドキュメンタリー>
「妖怪博士・水木しげる夢探検シリーズ(2) 台湾編」
テレビ東京(1991/??/??)
----未見。なお第1弾は国内だったよう。

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◆1992年1月(69歳)
タイ~スリランカ
----TV番組の企画でタイ(バンコク~チェンマイ)、スリランカを訪ねる。

<TVドキュメンタリー>
「妖怪博士・水木しげる夢探検シリーズ(3) タイ・スリランカ編」
テレビ東京(1992/04/02)
----未見。

<短編エッセイ>
「タイで"フハッ"と・・・」
初出:朝日新聞(1992/04/24夕刊)
収録:
『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)
『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)
----タイのお守りについて語る。

<短編エッセイ>
「クマントン(座敷童)」
初出:太陽(1992/05)
収録:
『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)
『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)
----チェンマイの山奥で座敷童に会いに行き、水木サンはちょっとふざけたところひどい目に・・・。

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◆1992年7月(70歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----「トペトロが死んだ」との知らせを受けてニューブリテン島に行ったが、葬式は2年後と聞きあっさり帰国。長女・尚子さん同行。

<短編エッセイ>
「去ってゆく南の友人たち」
初出:太陽(1992/02)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)

<エッセイと写真>
「妖怪博士水木しげるの48年目のラバウル」
初出:毎日グラフ(1992/09/20)
収録:単行本未収録

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◆1993年6月(71歳)
USAアリゾナ州
----ネイティヴ・アメリカン・ホピの村を訪ねる。宮田雪の案内。足立倫行が同行(『妖怪と歩く』でも一章を設けてある)。

<短編エッセイ>
「精霊の呼び声」
初出:アサヒグラフ(1993/12/10)
収録:『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)

<対談>
水木しげる+足立倫行
「対談 音に宿る精霊たち」
初出:季刊怪 no.3(1998/09)
収録:単行本未収録

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◆1994年3月(72歳)
マレーシア
----特異な夢文化を持つマレーシア北部のセノイを訪ねる。大泉実成の案内。

<グラビア+旅行記>
大泉実成
「妖怪博士・水木しげると夢ライター・大泉実成の、マレーシア・セノイの密林珍紀行(1)(2)」
初出:SPA!(1994/07/06&13)
収録:『水木しげるの大冒険』に再編

<長編旅行記>
水木しげる・絵+大泉実成・文
『水木しげるの大冒険』
初出:SPA!(1994/07/06&13)+大幅に加筆
扶桑社(1994/09)
(改題)
『水木しげるの妖怪探険 マレーシア大冒険』
講談社文庫(1999/08)
----大泉実成が案内した旅行記三部作の第一弾。セノイの精霊イラストが多数収録されている

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◆1994年7月(72歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----2年前に約束したとおり、トペトロの葬式に参列しにニューブリテン島に行ってみると、葬式が行われる気配はなく、結局水木サンが喪主として葬式を主催する羽目になる。長女・尚子さん、次女・悦子さん、足立倫行、雑誌カメラマン、TVスタッフも同行。

<短編マンガ>
「トペトロの葬式」
初出:ビッグゴールド(1994/10)
収録:
『妖怪博士の朝食(4) 妖怪変化シリーズ(下)』 小学館ビッグゴールドコミックス(1995/10)
『妖怪博士の朝食(1)』 小学館文庫(2001/12)
----『ゲゲゲの楽園』に転用されている。
<ドキュメンタリー>
「水木しげるの戦争メモリアル 49年目のお別れ」
初出:ビッグゴールド(1994/10)
収録:単行本未収録

<グラビア+旅行記>
水木しげる・絵と文+松久保晃作・写真
「水木しげるの南方葬祭」
初出:アサヒグラフ(1994/11/18)
収録:単行本未収録
<短編エッセイ+イラスト>
「踊り好きの初年兵と密林の少年トペトロの奇妙で楽しい出会いと別れ」
初出:アサヒグラフ(1994/11/18)
収録:『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)
----大判の写真やイラストが多数収録され見ごたえのある特集。エッセイもひときわ心がこもっている。

<長編エッセイ>
『ラバウル従軍後記 トペトロとの50年』
初出:書き下ろし
扶桑社(1995/07)
中公文庫(2002/07)
----戦時中ニューブリテン島でのトペトロたちとの出会い、1971年の再訪・再会、その後繰り返される訪問、トペトロの死(1992年)と二年後の葬式主催(1994年)まで、トペトロたちとの交流話を総決算する。

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◆1994年9月(72歳)
パプア・ニューギニア
----荒俣宏が同行。

<グラビア+旅行記>
水木しげる+荒俣宏
「妖怪人類学フィールドワーク パプア・ニューギニア編」
初出:季刊怪 no.0(1997/10)
収録:単行本未収録
<旅行記+イラスト>
「秘境ニューギニア大探検記」
初出:季刊怪 no.0(1997/10)
収録:単行本未収録

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◆1995年9月(73歳)
マレーシア ボルネオ
----TV番組の企画でマレーシア・ボルネオを旅する。

<TVドキュメンタリー>
「ETV特集 シリーズ・山河あり 戦争・自然 ボルネオ・楽園幻想 従軍作家・里村欣三の旅」
NHK教育テレビ(1995/10/17)
----ボルネオで戦死した従軍作家・里村欣三(代表作は「河の民」)の足跡を追うドキュメンタリー。未見。

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◆1995年10月(73歳)
パプア・ニューギニア
----1989年に続きTV番組の企画でセピク川流域を旅する。

<TVドキュメンタリー>
「世界わが心の旅 パプアニューギニア 精霊がうたう森」
NHK-BS2(1996/01/20)

<短編マンガ>
「東西奇ッ怪紳士録 南の超人たち」
初出:ビッグゴールド(1997/06)
収録:
『東西奇ッ怪紳士録(弐)』 小学館ビッグコミックスゴールド(1997/12)
『東西奇ッ怪紳士録』 小学館文庫(2001/12)
----かなりフィクションを交えてあるので、主人公は水木サンではない。現地案内人の川俣氏(実名・川端氏がモデル)の奇人ぶりに注目している。

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◆1996年8月(74歳)
中国 雲南省
----お札集めの旅。川野明正+多田克巳の案内。

<グラビア+旅行記>
「水木しげるが行く中国・雲南省妖怪紀行 今や中国全土の妖怪が集まるという"精霊信仰の聖地"」
初出:SPA!(1996/11/06)
収録:単行本未収録

<グラビア+旅行記>
「水木しげるの中国妖怪探訪旅記」
初出:ビッグゴールド(1996/12)
収録:単行本未収録

<グラビア+旅行記>
水木しげる+中沢新一
「妖怪人類学フィールドワーク 雲南編」
初出:季刊怪 no.1(1998/03)
収録:単行本未収録

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◆1997年5月(75歳)
イタリア~フランス
----水木プロ社員旅行。荒俣宏の案内。

<短編マンガ>
「東西奇ッ怪紳士録 フランスの妖怪城」
初出:ビッグ・ゴールド(1997/10)
収録:
『東西奇ッ怪紳士録(弐)』 小学館ビッグコミックスゴールド(1997/12)
『東西奇ッ怪紳士録』 小学館文庫(2001/12)
----フランス・オートリーブにある「シュヴァルの理想宮」を訪ねた際の感想と、シュヴァルの生涯をつづる。

<短編エッセイ>
「イタリアお化け紀行に驚く」
初出:書き下ろし
収録:三津田信三・編 『ワールド・ミステリー・ツアー13 (2) イタリア篇』 同朋舎/角川書店(1998/07)

<イラスト+旅行記>
「妖怪人類学フィールドワーク シュバルの理想宮」
初出:怪 no.20(2006/01)
収録:単行本未収録

2014年3月12日水曜日

水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(10) 海外旅行記-1

本エントリーは
stod phyogs 2014年3月12日水曜日 水木しげる屁話 水木しげる自伝リスト(10) 海外旅行記-1
からの移籍です。日付は初出と同じです。

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またまた、またまたおとずれる水木ブーム!
今回は「水木しげる漫画大全集」の刊行で話題沸騰です。

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貧乏な私はすっかり乗り遅れて、まだひとつも買っていません。いや、いずれ買うつもりはあるのですが、財布の方がね・・・。

単行本収録作品は、高額な貸本マンガ復刻版を除きほぼ集めております。といっても、なるべくダブりのないように集めているだけのごくごく底辺の水木ファンですが。

単行本未収録作品もいろいろかき集め、かなりたまっているのも、全集を買おうという踏ん切りがつかない理由かもしれません。

『「ガロ」版 鬼太郎夜話』についても、既存単行本未収録だった序盤は「鬼太郎の誕生」を含めて「ガロ」掲載分を入手済みなので、「今ほしい!」とはならないのですよ。

それにしてもこの全集は、京極氏をはじめスタッフが素晴らしい仕事をしています。「かゆいところ」どころか、臓物にまで手が届く勢い。比べたくはないのだが、手塚全集のグズグズさとどうしても比べてしまいます。

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全集の話はこれ位にして、今回の内容について。

今回は自伝の一環としての「海外旅行記」リスト。

完成してから4年も放置しているので、もういい加減放出しましょう。だいぶ放ってあるので、書誌情報などは古い点があるかもしれませんが、ご容赦ください。3回にわたって続きます。

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【 海外旅行記-1 】

1970年代以降、戦時中に駐留したニューブリテン島への度重なる再訪を中心に、世界中を飛び回って妖怪コレクションを増やしている水木サン。その海外旅行記も重要な自伝・伝記の一部、ということで旅行記のリストも挙げておきます。

なおここでリストアップしたのは、作品として発表されている旅だけで、実際の渡航数はもっとたくさんあります。

戦時中の移動(旅行とは言えませんが)については、【 戦時中 】のリストに入れた、ということで省略。トペトロ関連など、一部既出項目と重複があります。

戦後初渡航が49歳のとき。そしてその後海外渡航数はうなぎのぼりに増えていきます。還暦を越え、喜寿を越え、妖怪探索の旅は延々続きます。今のところ2006年83歳でのパプア・ニューギニアが最新の海外旅行となりますが、この先にも重要な妖怪探索旅行がないとも限らない、ような気もします。

それにしても旅行記の数もものすごい。まさかこんなにあるとは思いませんでした(毎度おなじみのフレーズ)。「旅行記界の巨人」という肩書きも新たに加わりそうです。

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◆総合

<海外渡航リスト>
平林重雄・編
「水木しげる冒険旅行一覧」
初出:まんだらけZENBU No.4(1999/09)特集・水木しげる
収録:単行本未収録
----1971年(49歳)~1999年(77歳)。おそらく年譜作成の基礎資料として作られたもの。水木サンのパスポートの出入国記録から水木プロでの聞き取りを含めて構成した渡航年譜。労作です。今回のエントリーでも一番参照した資料。

<短編エッセイ>
「アジアお化け紀行に驚く」
初出:書き下ろし
収録:三津田信三・編 『ワールド・ミステリー・ツアー13 (11) アジア篇』 同朋舎/角川書店(1999/12)
----パプア・ニューギニアのセピク川(1989/03&1995/10-注)、雲南(1996/09)、マレーシアのセノイ(1994/03)、台湾(1998/10)で妖怪・精霊・憑物の存在を感じた体験を語る。

(注)
日付については「1987/02&1994/07」とあるが、水木サンの勘違いと思われる。

<ミニ写真集>
「水木しげるの妖怪探索写真館」
初出:書き下ろし
収録:『「大(Oh!)水木しげる展」図録』 朝日新聞社(2004/04)
----バリ島(2002/01)、アイルランド(1990/03)、オーストラリア(1999/09)、カナダ(2001/10)、マレーシア・ボルネオ(1995/05)、マリ・ドゴン(1988/01~02)、ジャマイカ(1995/12)、富士山麓で撮りためた写真、の、ほんの一部を公開。

<長編旅行記>
荒俣宏
『水木しげると行く妖怪極楽探検隊』
初出:怪など各誌(1997~2003)+大幅に加筆
角川書店(2004/08)
----荒俣氏が水木サンと共にした旅を総括する。パプア・ニューギニア(1994/09)、イタリア~フランス(1997/05)、南イタリア(2003/09)、カナダ(2001/10)、バリ島(2002/01)、ジャマイカ(1995/12)、ドイツ・ブロッケン山(1999/04)。他に国内旅行記(広島・葦嶽山、鳥取・因幡)、対談、荒俣講演録など。
<関連エッセイ>
荒俣宏
「水木しげる大(おお)先生の妖怪探検」
初出:書き下ろし
収録:『「大(Oh!)水木しげる展」図録』 朝日新聞社(2004/04)

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◆1971年12月(49歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----戦友二人と共にニューブリテン島の戦場跡を26年ぶりに再訪。トペトロたちとも再会。『昭和史』、『ゲゲゲの楽園』などには1970年12月とあるが、エッセイなどを考慮すると71年12月が正しいと思われる。

<短編マンガ>
「招かれた三人」
初出:COM(1971/12)
収録:
『水木しげる幻想と怪奇(7) 落第王』 朝日ソノラマ・サンコミックス(1981/09)
『水木しげる短編傑作集・不思議編 死女の手』 朝日ソノラマ・サンワイドコミックス(1985/07)
『水木しげる不思議な世界(3) 死神の招き』 講談社KCスペシャル(1987/03)
----実体験に基づく作品のように思えるが、もしかすると出発前にすでに書いておいた作品かも?。というのも、旅行が1971年12月なのに、雑誌発表が1971年12月号という点が謎。後半はフィクション。前半は蝶のエピソードを加えた上で、『昭和史』、『ゲゲゲの楽園』に転用されている。

<短編エッセイ>
「二十六年目の"基地"ラバウル」
初出:旅(1972/04)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)
----「去年・・・十二月中旬」とあり、これで旅行年月が71年12月と確定できる。トペトロとの再会にも触れる。

<短編エッセイ>
「ジャングルの味と再会」
初出:ビッグコミック(1972/10/25)
収録:『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
----この旅での食にまつわる話題を取り上げる。

<短編エッセイ>
「二十六年目の土人」
初出:蛍雪時代(1974/04)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

この他、「半生記」タイプの作品にはもれなくこの旅のエピソードが収録されている。

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◆1973年12月(51歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島
----ニューブリテン島を戦後2度目の訪問。もちろんトペトロたちに会いに行ったもの。

<短編エッセイ>
「楽園にかえる 原始生活入門」
初出:終末からno.6(1974/04)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)
----トペトロたちの村に滞在した際の体験を語る。

<短編エッセイ+イラスト>
「ニューギニア 辺境ある記」
初出:漫画サンデー(1974/06/15)
収録:『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)

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◆1976年12月(54歳)
インド
----宮田雪に勧められてのインド旅行だったらしい。インド旅行は73年に続いて二度目。インドでの体験がマンガ作品にはあまり反映されていないのは残念。

<短編エッセイ>
「聖者がゴロゴロいたよ インドブラリ旅」
初出:漫画サンデー(1977/03/22)
収録:
『水木しげるのカランコロン』 作品社(1995/09)
『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)

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◆1979年8月(57歳)
パプア・ニューギニア ニューブリテン島~ガダルカナル島
----ニューブリテン島へ戦後3度目の訪問。南方の島にも押し寄せる近代化で、変わりゆく人々の生活にだいぶショックを受けたよう。

<短編エッセイ>
「失われゆく楽園」
初出:朝日新聞(1979/10/01)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

<短編エッセイ>
「"楽園"はいずこに」
初出:時代(1979/12/05)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)

<短編エッセイ>
「わが心のニューブリテン島」
初出:世界画報(1980/07)
収録:
『水木しげるのカランコロン』作品社(1995/09)
『なまけものになりたい』 河出文庫(2003/06)

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◆1988年1~2月(65歳)
マリ
----TV番組の企画でアフリカ・マリ共和国、ドゴンの村を訪問。次女・悦子さん同行。

<TVドキュメンタリー>
「新世界紀行 水木しげるのアフリカ幻想 精霊と妖怪のふるさと」
TBSテレビ(1988/08/??)
----未見。

<短編マンガ>
「東西奇ッ怪紳士録 サンガ村のボロタハム氏」
初出:ビッグゴールド(1996/08)
収録:
『東西奇ッ怪紳士録(弐)』小学館ビッグコミックスゴールド(1997/12)
『東西奇ッ怪紳士録』 小学館文庫(2001/12)
----主人公は民族学者?の小島先生となっており、基本はフィクションだが、この旅行体験が大いに反映された作品。

<短編エッセイ>
「妖怪踊りの輪に加わった」
初出:朝日新聞(1998/07/30夕刊)
収録:『妖怪になりたい』 河出文庫(2003/05)

<短編エッセイ>
「精霊に会う旅」
初出:不明
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)

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◆1989年3月(67歳)
パプア・ニューギニア セピク川~ニューブリテン島
----TV番組の企画でセピク川を逆上る。ニューブリテン島にも立ち寄り、トペトロに自動車をプレゼント。

<TVドキュメンタリー>
「新世界紀行 不思議の島パプアニューギニア 水木しげるの妖怪紀行」
TBSテレビ(1989/06/04)
----未見。

<短編エッセイ>
「南の友」
初出:小説すばる(1989/秋季)
収録:
『妖怪天国』 筑摩書房(1992/04)
『妖怪天国』 ちくま文庫(1996/07)